子犬の成長過程で多くの飼い主が悩むのが「歯の生え変わり」です。
特に初めて犬を飼う場合、「この歯は乳歯なのか、それとも永久歯なのか」「もう抜ける時期なのに残っているのは異常ではないのか」と不安になることは珍しくありません。
犬の歯の生え変わりは人間よりも短期間で進むうえ、個体差や犬種差が大きいため、ネット上の情報だけでは判断しにくい場面も多くあります。さらに、生後4〜7か月頃は乳歯と永久歯が同時に存在する「混在期」にあたり、歯が二重に見えたり、左右で状態が違ったりすることもあります。
この記事では、
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犬の乳歯と永久歯を見た目で見分ける具体的な基準
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月齢別の正常な生え変わり目安
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様子見でよいケースと動物病院を受診すべき判断ライン
を中心に、写真がなくても判断しやすいよう丁寧に解説します。
犬の乳歯と永久歯の基本的な違い

犬の歯は一生同じものではなく、子犬期に一度だけ「乳歯から永久歯」へと生え変わります。この仕組みを理解しておくことで、今の歯の状態が正常かどうか判断しやすくなります。
乳歯と永久歯の役割の違い
乳歯は、子犬が母犬の母乳から固形食へ移行する時期に使う歯で、顎や噛む力が未発達な段階でも使いやすいよう細く鋭い形をしています。一方、永久歯は成犬として一生使う歯で、硬いフードを噛み砕いたり、噛む力に耐えたりできる構造になっています。
本数の違い
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乳歯:28本
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永久歯:42本
永久歯では奥歯(臼歯)が増えるため、本数が一気に多くなります。
なぜ生え変わりが必要なのか
成長とともに顎の大きさや噛み合わせが変化するため、乳歯のままでは歯並びや噛み合わせに問題が生じやすくなります。永久歯への生え変わりは、健康的な口腔環境を作るために欠かせない過程です。
乳歯と永久歯の基本比較表
| 項目 | 乳歯 | 永久歯 |
|---|---|---|
| 本数 | 28本 | 42本 |
| 大きさ | 小さい | 大きい |
| 太さ | 細い | 太い |
| 主な役割 | 成長期用 | 生涯使用 |
見た目で分かる乳歯と永久歯の見分け方
乳歯と永久歯は、注意して観察すると見た目にいくつかの違いがあります。歯を無理に触らなくても、口をめくって確認できるポイントが多くあります。
歯の大きさ・太さ
乳歯は全体的に小さく、根元まで細いのが特徴です。永久歯は同じ位置に生えていても一回り以上大きく、根元が太くしっかりしています。
先端の鋭さ・形状
乳歯は針のように鋭く、甘噛みでも痛みを感じやすいことがあります。永久歯は尖っていても厚みがあり、噛むための構造になっています。
色や質感の違い
乳歯は白く、やや透明感がある場合があります。永久歯は乳歯よりも白濁して見え、表面がしっかりしています。
見た目チェックリスト表
| チェック項目 | 乳歯の特徴 | 永久歯の特徴 |
|---|---|---|
| サイズ | 小さい | 大きい |
| 太さ | 細い | 太い |
| 先端 | 非常に鋭い | 丸みがある |
| 色 | 白く透明感 | 白濁している |
月齢別|正常な歯の生え変わり目安
歯の状態を判断する際は、「見た目」だけでなく「月齢」と合っているかを確認することが重要です。
一般的な生え変わりスケジュール
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生後3〜4週頃:乳歯が生え始める
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生後6〜8週頃:乳歯がほぼ生えそろう
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生後4〜5か月頃:永久歯が生え始める
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生後6〜7か月頃:永久歯がほぼ完成
ただし、超小型犬や大型犬では前後することがあります。
月齢×歯の状態 早見表
| 月齢 | 歯の状態の目安 |
|---|---|
| 〜2か月 | 乳歯のみ |
| 3〜4か月 | 乳歯が完成 |
| 4〜6か月 | 乳歯と永久歯が混在 |
| 7か月以降 | ほぼ永久歯 |
歯の種類別に見る見分け方の注意点
歯の種類によって、生え変わりの分かりやすさやトラブルの起こりやすさが異なります。
前歯(切歯)
比較的早く抜け、永久歯に置き換わります。抜けたことに気づかないケースも多い歯です。
犬歯
最も注意が必要な歯で、永久歯が乳歯の内側や前方に生え、二重に見えることがあります。
奥歯(臼歯)
乳歯が存在しない永久歯もあるため、「いつの間にか増えている」と感じやすい歯です。
乳歯が抜けないとき(乳歯遺残)のリスク

乳歯遺残とは
永久歯が生えても乳歯が抜けずに残る状態を指します。特に小型犬では犬歯に起こりやすいとされています。
放置した場合の影響
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歯並びの乱れ
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歯垢・歯石の付着
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歯周病のリスク増加
軽度の場合は自然に抜けることもありますが、長期間残る場合は獣医師の判断が必要です。
様子見OK?動物病院に行く判断基準
様子見でよいケース
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月齢が6か月未満
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乳歯がぐらついている
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痛みや腫れがない
受診を検討すべきサイン
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7か月以降も乳歯が残っている
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永久歯と乳歯が重なっている
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口臭や歯ぐきの炎症がある
判断表
| 状態 | 対応 |
|---|---|
| 生え変わり途中 | 様子見 |
| 乳歯遺残の疑い | 受診推奨 |
| 炎症・痛み | 早めに受診 |
よくある質問(FAQ)
Q:乳歯は必ず自然に抜けますか?
多くは自然に抜けますが、犬歯は残るケースもあり、必ずではありません。
Q:歯が抜けたのに見つかりません
飲み込んでしまうことがほとんどで、通常は問題ありません。
Q:出血がありますが大丈夫ですか?
少量で一時的なら問題ないことが多いですが、続く場合は受診してください。
まとめ
犬の乳歯と永久歯の見分け方は、
見た目・月齢・歯の位置を総合的に見ることが重要です。
特に犬歯はトラブルが起こりやすいため、少しでも不安があれば早めに獣医師に相談することで、将来的な歯のトラブルを防ぎやすくなります。
参考・引用リンク
wanQol(ワンクォール|CAINZ)
https://magazine.cainz.com/wanqol/articles/puppy_tooth_checkpoint
MOFFME(モフミー)
https://moffme.com/article/1952
DIARA PET FOOD FACTORY(ディアラ)
https://petfoodfactory.diara-plus.com/apps/note/column/dog-babytooth/
むさし小山動物病院 公式ブログ
https://musashikoyama-ah.com/blog/3515/

