猫が黄色い液を吐いた！正体は胆汁？30秒でわかる緊急度診断と対処法

朝起きて、リビングの床に黄色い液体の跡を見つけると、心臓が止まるほど驚きますよね。

「何か毒になるものを食べた？」「重い病気だったらどうしよう」とパニックになり、自分を責めてしまう佐藤さんのような飼い主さんは少なくありません。

しかし、まずは深呼吸をしてください。その黄色い液体の正体は、多くの場合「胆汁（たんじゅう）」と呼ばれる消化液です。 猫が元気で食欲もあるなら、実は「空腹」が原因であることがほとんどで、今すぐ夜間救急に駆け込む必要はありません。

この記事では、30秒で終わる緊急度診断と、今日から実践できる「空腹リセット術」をわかりやすくお伝えします。

H2-1: その黄色い液は「胆汁」です｜なぜ猫は空腹で吐くのか？

「猫が黄色い泡混じりの液を吐く」という現象には、医学的な名前があります。それが「胆汁性嘔吐症候群（たんじゅうせいおうとしょこうぐん）」です。

黄色い液体の正体である「胆汁」は、通常であれば肝臓で作られ、十二指腸で食べ物の消化を助ける役割を担っています。しかし、夕食から朝食までの間隔が開きすぎて胃の中が空っぽ（空腹状態）になると、この胆汁が十二指腸から胃へと逆流してしまいます。

胃は本来、強い酸性には耐えられますが、アルカリ性の胆汁による刺激には弱いため、胃粘膜が炎症を起こして反射的に吐き出してしまうのです。これが、朝方に黄色い液を吐くメカニズムです。

✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス

【結論】: 猫が吐いた後、ケロッとしてご飯を催促してくるなら、まずは「空腹」を疑ってください。

なぜなら、この点は多くの飼い主さんが見落としがちで、「胃が荒れているから絶食させよう」と判断してしまいがちだからです。しかし、空腹が原因の場合、絶食は胆汁の逆流をさらに悪化させ、負のループに陥る原因になります。

H2-2: 【30秒診断】今すぐ病院へ行くべき？様子を見てOK？の境界線

今一番知りたいのは、「今すぐ病院に連れて行くべきかどうか」ですよね。以下のフローチャートを使って、30秒で愛猫の状態をチェックしてみましょう。

このフローチャートで「経過観察」となった場合は、次のセクションでお伝えする「食事の改善」を試してみてください。逆に、少しでもぐったりしていたり、水さえも吐いてしまう場合は、脱水症状や膵炎などの恐れがあるため、迷わず獣医師に相談してください。

H2-3: 絶食は逆効果！今夜からできる「空腹リセット」食事改善ステップ

胆汁性嘔吐症候群を根本から解決するためには、胃を空っぽにする時間を物理的に短くする「空腹リセット」が最も効果的です。

具体的には、「1日の総給餌量は変えずに、食事回数を3〜4回以上に分割する」という方法をとります。特に、夜寝る直前に少量の夜食を与えることで、朝方の胆汁逆流を劇的に抑えることができます。

📊 空腹による嘔吐を防ぐ理想的な食事スケジュール例

できれば回数を増やしやすいですが、外出が多い方の場合は「自動給餌器」を活用することをおすすめします。自動給餌器と食事回数の分割は、胆汁性嘔吐を予防するための最強のセットです。

H2-4: もしかして病気？黄色い嘔吐がサインになる他の疾患

黄色い嘔吐の多くは空腹が原因ですが、それだけでは片付けられないケースも存在します。以下のような症状が伴う場合は、内臓疾患のサインかもしれません。

1. 膵炎（すいえん）: 激しい腹痛を伴い、何度も吐き続けます。

2. 肝・胆道系疾患: 白目が黄色くなる「黄疸（おうだん）」が見られることがあります。

3. 異物誤飲: おもちゃや紐などを飲み込み、腸閉塞を起こしている可能性があります。

これらの疾患は早期発見が命です。アニコム損保の調査によれば、猫の通院理由の第1位は消化器疾患であり、放置すると命に関わるケースも少なくありません。

猫の疾患別における年間通院回数は、消化器疾患が最も多く、特に嘔吐や下痢は飼い主が異変に気づきやすい初期サインである。

出典: 家庭どうぶつ白書2023 – アニコム損害保険株式会社, 2023年公開

まとめ

佐藤さん、もうパニックになる必要はありません。今日学んだ3つのポイントをおさらいしましょう。

• 黄色い液体の正体は「胆汁」。 元気があるなら、その多くは病気ではなく「空腹」が原因です。

• 「緊急度診断」を活用しましょう。 ぐったりしている、何度も吐くなどの異常がなければ、焦って受診しなくても大丈夫です。

• 今夜から「寝る前の夜食」を。 食事の回数を小分けにして、愛猫の胃を空っぽにさせない工夫を始めてください。

まずは、愛猫に一口だけ、お気に入りのフードをあげてみてください。美味しそうに食べるなら、一安心です。もし明日になっても嘔吐が続くようであれば、このページをブックマークしておき、病院で獣医師に提示して相談してくださいね。

[参考文献リスト]

• 猫が黄色い液体を吐く理由は？考えられる病気と対処法 – アニコム損保

• 猫の嘔吐（色別の原因と対策） – アイペット損保

• 胆汁性嘔吐症候群について – 獣医医療開発株式会社（VCL）