猫の寄生虫はどんな種類がいる?症状・危険性・治療法・予防をわかりやすく解説

猫の体調不良でよく見られる「下痢」「嘔吐」「体重減少」など。実はその原因のひとつとして、寄生虫が関わっていることがあります。寄生虫と聞くと少し怖いイメージがありますが、多くの場合は適切な治療で改善し、予防も可能です。

この記事では、猫に多い寄生虫の種類や症状、治療法、家庭でできる予防策について、初めての方でもわかりやすく解説します。人への感染に注意が必要な寄生虫についても触れていますので、ぜひ参考にしてください。

猫の寄生虫とは?

寄生虫とは、猫の体の中(腸・血液・皮膚など)で生活し、栄養を奪ったり健康に悪影響を与える生き物のことです。体内に住む「内部寄生虫」と、皮膚に寄生する「外部寄生虫」に分かれます。

寄生虫の中には無症状のまま進行するものもあり、気づいたときには体力が落ちていた…というケースも珍しくありません。特に子猫や高齢猫は体力が弱いため、寄生虫の影響を強く受けやすい傾向があります。

猫に多い寄生虫の種類

猫に見られる寄生虫には次のような種類があります。

① 回虫(かいちゅう)

もっとも一般的な内部寄生虫。嘔吐物に白い細長い虫が出ることもあります。子猫でよく見られます。

② 鉤虫(こうちゅう)

血を吸うタイプの寄生虫で、貧血を引き起こすことがあります。重症化すると命に関わる場合も。

③ 条虫(サナダムシ)

ノミを介して感染することが多く、お尻の周りに米粒のような白い粒が付着するのが特徴です。

④ コクシジウム

子猫でよく見られる寄生虫で、粘膜便・下痢・体重減少を引き起こします。集団飼育で広がりやすい傾向。

⑤ ジアルジア

水を介して感染する原虫で、下痢や軟便が続くのが特徴。衛生環境が悪い場所で広がりやすいです。

⑥ トキソプラズマ

猫が保有宿主となることがある寄生虫。健康な猫では軽症で済むことが多いですが、人への感染リスクもあるため注意が必要です。

寄生虫が引き起こす主な症状

寄生虫によって症状は異なりますが、多くのケースで共通して見られるのは次のようなサインです。

  • 下痢・軟便が続く
  • 嘔吐が増える
  • 体重が減る・痩せてくる
  • お腹が膨らんで見える(子猫に多い)
  • 毛ヅヤが悪くなる
  • 元気がない、ぐったりしている
  • 肛門周りに白い粒(条虫の体節)

症状が軽くても、寄生虫が体の負担になっていることは変わりません。早めの受診で悪化を防げるケースが多いです。

どのように感染する?感染経路を知って予防につなげる

寄生虫の多くは次のような経路で感染します。

・母猫からの母子感染

回虫やトキソプラズマは、母猫の体内を通じて生まれた子猫に感染することがあります。

・ノミを介した感染

条虫はノミを食べてしまうことで感染するため、ノミ対策は非常に重要です。

・環境や排泄物からの感染

コクシジウムやジアルジアは、汚れた水や排泄物を介して広がります。

・外で狩りをする猫

ネズミや鳥を捕まえる習慣のある猫は感染リスクが高まります。

完全室内飼育でも油断は禁物で、ノミの持ち込みなどが原因で感染することもあります。

寄生虫の治療方法

寄生虫の種類に応じて治療薬が異なるため、まずは動物病院で検査を行い、種類を特定することが重要です。

治療は一般的に次の方法で行われます。

駆虫薬(飲み薬・スポット)

多くの寄生虫は専用の駆虫薬で駆除できます。回虫・鉤虫・条虫などは薬で改善されるケースが多いです。

下痢が続く場合のサポート治療

脱水を防ぐための点滴、胃腸薬の処方が行われることがあります。

再検査での確認

寄生虫は一度の治療で完全にいなくならないこともあり、再検査で治癒を確認することが推奨されています。

多くの寄生虫は、早期治療で改善できるため、気になる症状がある場合は早めに相談してください。

予防方法と日常でできる対策

寄生虫は予防が非常に重要です。次のポイントを押さえておくと、感染リスクを大幅に減らすことができます。

① ノミ・ダニ予防を継続する

条虫の感染を防ぐためにも、ノミ対策は必須です。

② トイレ周りを清潔に保つ

コクシジウムやジアルジアは環境から感染しやすいため、こまめな掃除が効果的です。

③ 外に出さない・狩りをさせない

外猫は寄生虫感染のリスクが大幅に上がります。

④ 新入り猫は検査をする

新しく迎える猫は、見た目が元気でも寄生虫を持っていることがあります。

日常の小さなケアの積み重ねが、猫の健康を大きく守ります。

猫の寄生虫に関するよくある質問(Q&A)

Q1. 寄生虫は人間にうつる?

種類によっては人への感染リスクがあるものもあります。特にトキソプラズマや回虫は注意が必要です。衛生管理と早めの治療が大切です。

Q2. 下痢が続いたら寄生虫を疑うべき?

寄生虫が原因のこともありますが、他の病気でも下痢は起こります。動物病院で検査するのが確実です。

Q3. 家庭で駆虫薬を使っても大丈夫?

市販薬では適切な種類に対応できない場合があります。必ず動物病院で処方されたものを使ってください。

Q4. 完全室内飼いでも寄生虫になる?

はい。ノミの持ち込みや新入り猫から感染することがあります。油断せず予防を続けましょう。

Q5. 治療はどれくらいかかる?

軽症なら数日〜1週間程度で改善することが多いですが、種類によっては長期治療が必要なこともあります。

タイトルとURLをコピーしました