日本のことわざには、猫が入った表現がたくさんあります。猫は昔から人々の生活に寄り添ってきた動物であり、気まぐれ・かわいさ・ずる賢さ・身軽さといった特徴から、ことわざにも豊かなバリエーションが生まれました。
この記事では、猫に関することわざ20個を「意味・由来・例文つき」でやさしく解説します。日本語の面白さや文化的背景までわかる内容になっています。
猫にまつわることわざとは?

猫が登場することわざは、猫の性質や行動を人間の生活にたとえて表現したものが多く、ユーモアがありつつも深い意味を持ちます。
猫のイメージは主に:
- 気まぐれ・自由
- 臆病・用心深い
- 小さくて弱い存在
- 人になつくようでなつかない
- 忍び足・こっそり
こうした特徴が、ことわざに多様な意味を与えています。
猫のことわざ一覧(意味・例文つき)

ここでは、日本でよく知られる猫のことわざ20個を解説します。
① 猫に小判
意味:価値がわからない相手に貴重なものを与えても無駄。
例文:高級ワインをあげても彼には猫に小判だよ。
② 猫の手も借りたい
意味:非常に忙しいこと。
例文:年度末で猫の手も借りたいほど仕事が多い。
③ 猫をかぶる
意味:本性を隠しておとなしく見せる。
例文:職場では猫をかぶっているけど、家ではすごく騒がしい。
④ 猫の額(ひたい)
意味:とても狭い土地。
例文:うちの庭は猫の額ほどしかない。
⑤ 猫の目のように変わる
意味:状況や気分がころころ変わる。
例文:彼の予定は猫の目のように変わる。
⑥ 猫にまたたび
意味:非常に好きなもの。
例文:このスイーツは私にとって猫にまたたびだ。
⑦ 猫糞(ねこばば)する
意味:拾ったものを黙って自分のものにする。
例文:落とし物を猫糞するのはよくない。
⑧ 猫の首に鈴をつける
意味:危険なことを誰かがやらなければならないが実行者がいない。
例文:あの上司に注意するのは猫の首に鈴をつけるようなものだ。
⑨ 猫の子一匹いない
意味:誰もいなくて静まり返っている。
例文:休日のオフィスは猫の子一匹いなかった。
⑩ 猫の寝返り
意味:動きが小さく、ほんの少ししか変わらないこと。
例文:成績は猫の寝返りほどしか上がっていない。
⑪ 猫の耳に念仏
意味:いくら良いことを言っても効果がないこと。
例文:注意しても聞かない彼には、猫の耳に念仏だ。
⑫ 泣く子と地頭には勝てぬ(猫関係の派生)
※ 古語では“猫”が絡む表現が残る地域あり。
⑬ 猫背
意味:猫のように背中が丸い姿勢。
例文:長時間のデスクワークで猫背になってしまった。
⑭ 猫舌
意味:熱い食べ物が苦手。
例文:私は猫舌だからスープは冷ましてから飲む。
⑮ 猫叩き(ねこだたき)
意味:弱い者を攻撃すること。
例文:ネットでの猫叩きは許されない。
⑯ 猫なで声
意味:甘く優しい声で機嫌を取る。
例文:上司に猫なで声を使ってお願いした。
⑰ 猫の子のよう
意味:弱々しい様子。
例文:疲れ切って猫の子のようになっていた。
⑱ 猫の首を取るように騒ぐ(地域表現)
意味:大げさに騒ぐ。
⑲ 猫の尻尾を踏む
意味:相手の怒りに触れる。
例文:あの一言は完全に猫の尻尾を踏んだ。
⑳ 猫を追うより皿を引け
意味:原因から対処すべきという教訓。
例文:散らかす猫を叱るより皿を片づけるほうが早い。
ことわざに使われる「猫のイメージ」

猫のことわざが多い理由は、猫が人間社会に深く根付いていた証拠でもあります。
猫のイメージは主に次の3つ:
- 気まぐれ・自由(猫の目のように変わる)
- かわいさ・弱さ(猫の子のよう)
- 人の言うことを聞かないユーモア(猫に小判)
こうした性質が、現代でも使いやすい表現として残っています。
猫のことわざを日常でどう使う?

ことわざは「かしこまった場」だけでなく、SNSや日常会話でも自然に使えます。
▶ 使いやすいシーン例
- 忙しさ → 猫の手も借りたい
- 努力しても伝わらない → 猫に小判
- 予定が変わる → 猫の目のように変わる
- 狭い部屋の話題 → 猫の額
猫好き同士の会話では、ユーモアとしてさらっと使うのもおすすめです。
よくある質問(FAQ)

Q1. 猫のことわざは全部で何種類あるの?
地域・古語・派生表現を含めると数十種類以上あります。
Q2. ことわざに登場する猫は、昔から身近だったの?
はい。日本では稲作と倉庫を守る役割から、猫は特別な存在でした。
Q3. ことわざは現代でも使ってOK?
もちろん大丈夫です。むしろ猫系ことわざはカジュアルなので使いやすいです。

