Googleの検索窓に「ポメプー」と打ち込んだとき、サジェストに表示される「成犬 可愛くない」「後悔」という言葉を見て、ドキッと胸が苦しくなりませんでしたか?
「SNSで見たあの子はあんなに可愛いのに、私が飼う子は成長したらブサイクになってしまうの?」 「一度飼ったら引き返せないのに、本当にこの決断でいいの?」
そんな不安で押しつぶされそうになっているあなたへ。まずは深呼吸してください。その不安は、決してあなただけのものではありません。
私はトリマーとして15年間、3,000頭以上のワンちゃんと向き合ってきましたが、ミックス犬を迎える多くの飼い主さんが同じ悩みを抱えています。
でも、はっきりとお伝えします。「ポメプーは成犬になると可愛くなくなる」というのは、大きな誤解であり、ただの「準備不足」です。
成長による変化は「遺伝の法則」である程度予測できますし、万が一イメージと違った育ち方をしても、プロの「カット技術」で可愛さはいくらでも引き出せるからです。
この記事では、トリマーであり元ブリーダーでもある私が、プロだけが知っている「将来の顔を予測する見極め方」と、どんな変化も味方につける「魔法のリカバリー・カット術」を包み隠さずお伝えします。
読み終える頃には、「可愛くなくなったらどうしよう」という不安が、「どんな姿になっても私が可愛くしてあげる!」という自信に変わっているはずです。
なぜ「ポメプー 成犬 可愛くない」と言われるのか?2つの物理的真実

そもそも、なぜこれほどまでに「ポメプーは可愛くなくなる」という噂が絶えないのでしょうか? 火のない所に煙は立ちません。実は、そこにはポメプーという犬種(正確にはF1:一代雑種)が避けて通れない、2つの物理的な成長プロセスが関係しています。
この「敵(原因)」の正体さえ知ってしまえば、漠然とした不安は「対処可能な現象」に変わります。
1. 誰もが通る試練「猿期(Monkey Stage)」の衝撃
多くの飼い主さんが最初にショックを受けるのが、生後4ヶ月から8ヶ月頃に訪れる「猿期(さるき)」と呼ばれる時期です。
これはポメプーの片親であるポメラニアンから遺伝的に受け継ぐ特徴で、大人の毛に生え変わるために、顔と体の毛が一時的にごっそりと抜け落ちる現象(換毛期)です。
顔の毛が抜けて目の周りがくっきりし、額にM字のようなラインが現れるため、まるでサルのような顔つきになります。
「病気なんじゃないか」「騙されたんじゃないか」とパニックになってサロンに駆け込んでくる飼い主さんもいらっしゃいますが、安心してください。これは健全な成長の証であり、不可避な通過点です。
この時期を過ぎれば、必ず大人の立派な被毛が生え揃い、またフワフワの姿に戻ります。「今だけのブサカワ期」として、写真に収めておくくらいの余裕を持って大丈夫ですよ。
2. マズルの伸長による「顔つきの激変」
もう一つの要因は、成犬になるにつれてマズル(鼻先)が伸び、骨格がしっかりしてくることです。
子犬の頃はマズルが短く、顔が詰まった「ベビーフェイス」をしていても、成長とともにトイプードルの血統が強く出て、マズルがスッと伸びた「キツネ顔」や「プードル顔」に変化することがあります。
SNSで見る「いつまでも子犬のようなポメプー」を想像していた場合、このマズルの伸長による大人っぽい顔つきへの変化が、飼い主さんにとっての「劣化」=「可愛くない」と感じられてしまうのです。
しかし、これは「劣化」ではなく「成熟」です。そして何より、このマズルの長さこそが、後述するトリミング技術で最もカバーしやすいポイントでもあります。
✍️ 一言アドバイス
【結論】: 「猿期」の見た目に一喜一憂せず、栄養価の高いフードを与えて被毛の生え変わりをサポートしてください。
なぜなら、この時期に「可愛くないから」と服を着せっぱなしにすると、毛玉ができやすくなり、せっかく生えてくる新しい被毛を痛めてしまうからです。猿期は「美しい成犬になるための準備期間」。焦らず見守ることが、将来の美しさへの最短ルートです。
「運任せ」にしない!子犬選びで将来の顔を予測する3つのチェックポイント

「変化するのはわかったけど、やっぱりできるだけイメージ通りの子がいい…」 そう思うのは当然です。
ポメプーは純血種同士を掛け合わせた**F1(一代雑種)**であるため、メンデルの法則に従って親の特徴がランダムに現れます。しかし、これは完全な「運ゲー」ではありません。
子犬の時点での身体的特徴を注意深く観察することで、成犬時の顔立ちをある程度予測することは可能です。ここでは、私がブリーダー時代に実践していた、プロのチェックポイントを3つ伝授します。
1. 耳の位置と高さ:ポメ寄りかプードル寄りかのバロメーター
子犬の顔を見たとき、まず注目してほしいのが「耳の付いている位置(高さ)」です。
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耳の位置が高い(頭のてっぺんに近い): ポメラニアンの遺伝が強く出ている証拠です。成長すると耳が立ち上がり気味になり、マズルもスッと通った「キツネ顔」や「スピッツ顔」になりやすい傾向があります。
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耳の位置が低い(目のラインに近い): トイプードルの遺伝が強い証拠です。成長しても耳は垂れたままで、マズル周りに毛量が多い「ベア顔(テディベアタイプ)」になりやすい傾向があります。
もしあなたが「丸くてコロコロした顔」が好みなら、耳の付け根が低く、耳自体に厚みがある子を選ぶと、イメージに近い成長をする可能性が高まります。
2. マズルの太さと長さ:ストップ(額の段差)を見る
次に、横顔を見てください。目と鼻の間にあるくぼみ(ストップ)の深さと、マズルの太さが重要です。
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マズルが太く、短い: 成犬になっても鼻先が詰まった、童顔のまま育つ可能性が高いです。
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マズルが細く、長い: 成犬になるとさらに長さが際立ち、シュッとした大人っぽい顔立ちになります。
子犬の時点で「少し鼻が長いかな?」と思う子は、成犬になると想像以上に伸びることが多いです。「詰まっているかな?」と思うくらいの子が、成犬時には丁度よいバランスになります。
3. 親犬(特に母犬)の情報を確認する
遺伝は不思議なもので、サイズや体型は母犬の影響を強く受けるという傾向がよく見られます。
ブリーダーサイトやペットショップで、必ず**「両親の体重と写真」**を確認してください。もし母犬が5kg近い大きめのトイプードルであれば、子犬も予想以上に大きくなる可能性があります。逆に、両親ともに小ぶりであれば、極端な巨大化のリスクは低くなります。
もし「キツネ顔」になっても大丈夫。可愛さを引き出す「リカバリー・トリミング」
「予測して選んだつもりでも、やっぱり予想外に変わってしまったら?」 そんな不安がまだ消えないかもしれませんね。
でも、ここからがトリマーである私の腕の見せ所です。 たとえマズルが伸びてしまっても、毛質が扱いにくくなっても、トリミングという「魔法」を使えば、見た目の印象は劇的に変えられます。
ここでは、マズルの伸長という課題に対する、具体的なカット技術(解決策)をご紹介します。
マズルが長い子のための「ニュー・テディベアカット」
「マズルが長いから、可愛いテディベアカットは無理」と諦めていませんか? 実は、カットのオーダー方法ひとつで、長いマズルを短く見せることは可能です。
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マズル上の毛をふんわり残す: 鼻の上の毛を短く切らず、ふんわりと厚めに残すことで、視覚的に鼻の長さを隠します。
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顎下の毛を短くしすぎない: 顎のラインを丸く作ることで、顔全体のシルエットを円形に近づけ、シャープさを和らげます。
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耳の毛のボリュームを調整: 耳の毛をふんわりさせて横にボリュームを出すことで、縦長の印象(面長)を中和します。
このオーダーをトリマーに伝えるだけで、「キツネ顔」と言われた子が、驚くほど愛らしい「クマさん」に変身します。
毛質に合わせた「オンリーワン」のスタイリング
ポメプーの毛質は、プードルのような巻き毛(カーリー)から、ポメラニアンのような直毛(ストレート)まで様々です。
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巻き毛が強い子: プードルのような「アフロカット」や「ピーナッツカット」で、ぬいぐるみのような質感を強調できます。
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直毛が強い子: 全体を丸く整える「柴犬カット」や「豆柴カット」が抜群に似合います。ポメプーならではの愛嬌たっぷりのスタイルです。
「理想と違う」と嘆くのではなく、「その子の個性を活かすスタイル」を見つけること。それがポメプー飼育の最大の醍醐味であり、飼い主さんのセンスの見せ所ですよ。
【Q&A】後悔しないために知っておきたい「見た目以外」のリアル
最後に、見た目以外でよく相談される「後悔」や「リスク」についても、正直にお答えしておきます。命を預かる以上、良い面だけでなくリスクも知っておくことが、本当の安心につながります。
Q1. 性格がきつくなったり、しつけが難しくなることはありますか?
A. ポメラニアンの「警戒心」が出ると、吠えやすくなることがあります。 ポメプーは賢い犬種ですが、ポメラニアン特有の自立心と警戒心を受け継ぐと、チャイムの音や来客に激しく吠えることがあります。 こればかりは「しつけ」が全てです。子犬の頃(社会化期)から、色々な音や人に慣れさせることが非常に重要です。
Q2. 予想以上に大きくなりすぎることはありますか?
A. はい、稀に親よりも大きくなることがあります。 雑種強勢(ハイブリッド・ビガー)といって、異なる遺伝子を組み合わせることで、親犬よりも体が大きく丈夫に育つ現象が起こり得ます。「ティーカップサイズだと思っていたのに、7kgになった!」という話も珍しくありません。 どんなサイズになっても、その健康な体を愛してあげられるか。お迎え前に今一度、ご自身の心に問いかけてみてください。
近年、ミックス犬の人気が高まっていますが、成長後のサイズや気質の予測が難しいという側面もあります。獣医師へのアンケートでも、75%以上が健康リスクや飼い主の理解不足を懸念しています。
出典: 獣医師の75%以上がミックス犬のリスクを懸念! – PR TIMES, 2024
まとめ:変化を楽しめる人こそ、ポメプーの最高の飼い主になれる
ここまで、ポメプーの成長変化の真実と、その対策についてお話ししてきました。
「可愛くない」と言われる不安の正体は、一時的な「猿期」と、想定外の「マズルの伸長」でしたね。 でも、私たちはもう知っています。
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子犬選びで「耳の位置」と「マズル」を見れば、ある程度の予測ができること。
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もし予想が外れても、「トリミング技術」で可愛さはいくらでも作れること。
ポメプーを迎えるということは、完成されたプラモデルを買うのとは違います。 成長とともに形を変え、色を変え、性格を変えていく、その「変化の物語」を一番近くで見守る特権を得ることです。
「どんな姿になっても、私が世界一可愛くしてあげる!」
そう思えた今のあなたなら、もう大丈夫。きっと最高のポメプーライフが待っています。 さあ、今日学んだチェックポイントを頭に入れて、運命の子を探しに行ってみませんか?
[参考文献リスト]

