「猫を描きたいけど、どうしてもバランスが崩れてしまう」「かわいく描けない…」という悩みは多くの人が抱えています。ですが、猫のイラストは“形の捉え方”さえ理解すれば、初心者でもスムーズに上達できます。
この記事では、丸から描く基本の手順、かわいい顔の描き方、体の動きの描写、リアルに見せる観察ポイント、よくある失敗まで、やさしく解説します。
猫の描き方の基本は「丸」から始まる

猫を描くとき、多くの人がいきなり顔や目から描こうとします。しかし、まずは頭=大きめの丸、体=やや縦長の丸を描くのがいちばん安定します。
① 頭は大きめの丸
かわいい猫ほど頭が大きく、子猫のバランスに近づきます。
② 体は楕円(座り姿なら丸に近い)
猫の体は柔らかく、丸くコンパクトに収まる形をしています。
③ 顔の中心に十字ガイドを入れる
目・鼻・口の位置が安定し、左右のバランスが整います。
④ 耳は三角形だが、丸みをつける
猫耳は“鋭い三角形”ではなく、先端が少し丸いのが特徴です。
これだけで、初心者でも「猫らしい土台」が作れます。
かわいい猫の顔の描き方(正面)

顔がうまく描けると、全体の印象がぐっと可愛くなります。
① 目は大きめ・離し気味が“かわいい比率”
子猫やデフォルメ猫の特徴は、左右の目が離れていること。目を離すほど幼い印象になります。
② 鼻は小さく、逆三角形で描く
ちょこんとした鼻ほど可愛く見えます。
③ 口は“Y字”を意識して描く
Y字の中心が鼻の真下にくるように描くと安定します。
④ ひげは左右に3本ずつ、角度を変えて描く
ひげの位置が低すぎると別の動物に見えやすいので注意。
体の描き方(座り姿・歩き姿)

猫の体は大きな丸と小さな丸の組み合わせで表現できます。
▶ 座り姿の描き方
- 体=縦長の楕円
- 頭=大きい丸
- 前足=細い2本の柱のように描く
- 後ろ足=丸く曲げるイメージで描く
- しっぽは体に沿わせると自然
ポイントは「重心が下にある」ように描くこと。太めに描いたほうが猫らしくなります。
▶ 歩き姿の描き方

猫の歩き方はしなやかで、背中がアーチを描きます。
- 前足は交互に前へ
- 後ろ足は体の下を通るイメージ
- 背中のラインはゆるやかなS字
写真を見ながらシルエットをなぞると構造がよく理解できます。
しっぽ・耳・毛並みを描くコツ

① しっぽは“骨の流れ”を意識する
しっぽは根本が太く先が細くなります。猫種によって立ち方が違うため、ふんわり曲線を描くと自然。
② 耳は柔らかい三角形
直線で描くのではなく、丸みを帯びた三角形を意識します。
③ 毛並みは方向づけが命
毛は体の中心 → 外側に向かって流れています。特に胸毛・しっぽ・頬周りが重要。
④ 影をつけるなら“おでこ・頬下・お腹”
立体感がぐっと増します。
リアルな猫を描くための観察ポイント

リアルな猫を描きたい場合、観察するポイントを変えるだけで絵が大きく変わります。
① 目の形と光の入り方
猫の目は光の角度で瞳孔の形が変わります。写真を複数見るのがおすすめ。
② 肩と腰の骨格を理解する
猫は肩の動きが大きく、歩くときは肩が上下に揺れます。ここを描けると“生きた猫”に近づきます。
③ 毛並みの方向を写真で確認する
毛の生えている方向は体の曲線に沿って流れています。
④ 写真を線だけでトレースする練習
構造理解が一気に深まります。
よくある失敗と直し方

① 目が大きすぎてバランスが崩れる
→ 目の位置を少し下げ、丸を小さくすると改善。
② 顔が左右に傾く
→ 十字ガイドの中心線をしっかり引く。
③ 顔と体のサイズ比がおかしい
→ 子猫=頭大きめ、成猫=体大きめで調整する。
④ しっぽが棒のように見える
→ 太さの“ゆるやかな変化”を入れてみる。
⑤ 手足が棒状になる
→ 関節を意識し、丸→線→丸で描くと自然。
よくある質問(FAQ)

Q1. まずどこから描くべき?
丸(頭と体)から描くのがもっともバランスを取りやすいです。
Q2. 練習は毎日したほうがいい?
短時間でも毎日のほうが効果は大きいです。
Q3. 写真の模写は上達する?
はい。むしろ一番効率が良い練習法です。
Q4. 絵心がなくても描ける?
形のとらえ方さえ理解すれば誰でも描けるようになります。
Q5. 色塗りのコツは?
毛並みの方向に沿って筆跡をつけると立体感が出ます。

